「買ってきた時は花が咲いていたのに、最近咲かなくなってしまった」「もう何年も咲いてない」シャクナゲの花が咲かなくなる原因は色々考えられますが、最も多いのが「花がら摘みをしていない」ことと「肥料不足」です。それぞれ原因を見ていきましょう。
花が咲かない原因1:シャクナゲの花がら摘みをせずに放置してしまった
花がらとは名前の通り、花が終わった後の根元の部分です。ここを放置しておくと膨らんで種子が付きます。するとそちらに栄養を奪われて翌年の花芽が付かなくなってしまいます。
シャクナゲの花が終わった後は花茎を含めて(1つ前の葉が付いている部分まで)切り取ってしまいましょう。コレを「花がら摘み」と言います。
花が咲かない原因2:肥料不足
シャクナゲは特に肥料を好む樹種です。肥料をあげずにほったらかしにしているとだんだん体力が無くなって花を付けなくなってしまいます。年3回を目安に肥料を施しましょう。
シャクナゲに肥料をあげる時期
冬の1~2月に肥料を与える
まず、冬の1~2月に肥料を撒きます。冬の寒い時期に肥料を施すことを「寒肥」といいます。冬は根が休眠状態に入るため、土を入れ替えたり肥料を与えるのにぴったりな時期です。この時期に肥料をあげることで徐々に肥料分が分解されて土が豊かになり、春先に栄養が行きわたります。
花が終わった後すぐ(4~6月)に肥料を与える
次は花が終わった後すぐに肥料をあげます(4~6月ごろ)。花を咲かせるのに沢山のエネルギーを使うので、花が終わった後は疲労状態になっています。体力回復の意味を込めて肥料を施しましょう。花が終わった後の肥料を「お礼肥」と言います。花を見せてくれたことに感謝の意味を込めて肥料をあげるんですね。
秋の10月に肥料を与える
シャクナゲは夏ごろに翌年の花芽が形成されます。それが一年かけて成長し、翌年開花します。秋は花芽が育つ季節なので肥料を施しましょう。夏の暑さが終わった頃ぐらいに撒くと良いでしょう。
シャクナゲにあげる肥料の種類
普段使いする肥料であれば「油かす」と「骨粉」を4:1の割合で混ぜた物が良いでしょう。もしシャクナゲの木全体が弱っている場合は樹勢回復用の「ニワユタカ肥料セット」がオススメです。
シャクナゲの体力回復、花芽増加に「ニワユタカ肥料セット」がオススメ
「シャクナゲが弱っている」「花芽が少ない」という場合は「ニワユタカ肥料セット」がオススメです。ニワユタカ肥料セットは名前の通り、2種類の肥料がセットになっていて、「栄養肥料」とその吸収を助ける「補助肥料」を一緒に使うことで効率良く栄養を補給して体力を回復させます。お寺の古木の樹勢回復や、観光地の松林の復活などに使用されています。(活力剤のように使用できます。)
ニワユタカ肥料セットをツツジに使用した事例です。使用した翌年にはツツジが元気になり、花芽が沢山付きました。
花が咲かない原因3:木が若すぎる
「木が若すぎる」「植え替えた直後」も花が咲かない場合があります。狭い鉢植えから地面に植え替えると根を伸ばせるようになり、体の成長にエネルギーを使うようになります。すると狭い鉢植えでは花を付けていたのに、植え替えた翌年から花が咲かなくなるという現象が発生します。これは体の成長にエネルギーを使っているだけなので心配しなくても大丈夫です。十分に成長したら花を付けるようになります。
花が咲かない原因4:害虫による被害
「蕾が付いたのに咲かない」という場合は害虫被害が考えられます。ベニモンアオリンガの幼虫が春(4~6月)と秋(9~10月)に発生し、新芽や蕾の内部に侵入し食害します。幼虫に食害されると花が咲かずに蕾が落ちてしまいます。幼虫が侵入してからの防除は難しいのであらかじめ殺虫剤を撒いて予防しましょう。「GFオルトラン液剤」が使いやすくてオススメです。
まとめ
- シャクナゲの花が咲かない原因でまず考えられるのが「花がら摘みをしていない」ことです。花が散った後そのままにしておくと種子が付き、そこにエネルギーが奪われてしまいます。花が終わったら花茎ごと切り落としましょう。
- 次に考えられるのが「肥料不足」です。シャクナゲは肥料を好む樹種なので、ほったらかしにしているとあっという間に体力不足になって花を付けなくなります。
- シャクナゲの肥料は年3回施しましょう。「冬の1~2月」「花が終わってすぐ(4~6月)」「秋の10月」が良いでしょう。
- 肥料は普段使いであれば「油かす」と「骨粉」を4:1で混ぜた物が良いでしょう。「木全体が弱っている」「花芽が少ない」場合は樹勢回復用の「ニワユタカ肥料セット」がオススメです。
- 木が若すぎると花を付けない場合があります。体の成長にエネルギーを使っているだけなので、植え替え直後は焦らず数年様子をみましょう。
- 蕾が付いたのに咲かずに枯れてしまう場合は害虫被害が考えられます。春と秋は蕾を食害するベニモンアオリンガが発生するので「GFオルトラン液剤」を散布して予防しましょう。